2015/10/19

鳥手羽の呪い



大昔は油抜きダイエットなんぞをしてみたこともあったが、いい油なら積極的にとってもいいというところに落ち着き、今となってはむしろよく取ってる方かもしれません、油。メジャーどころで言うとEXオリーブオイルとかごま油とかね。

その流れで鶏の手羽を煮た場合の油もアリだな!となり、鶏手羽を煮てスープを作るのが日課となった。
日課というか週一だから週課?みたいな?まあとにかく、時間の空いてるときにごっそり鶏手羽と屑野菜とかを煮てスープを作ってそれを一週間もしくはそれ以上かけて、そのまま食べたり他の何かに使ったりしたりして、ちびちびと消費する毎日である。

青ネギを入れたときは全体的に中華を意識したものに、タマネギを入れたときは洋食っぽいものに親和性が高く応用できます。まあ自炊なんてノールールなんだから結局何にでも使えます。

で、本題。骨付き肉を煮ているからには、骨付き肉を食べるシーンが必ずある。
子供のとき、クリスマスとかなんやら、もしくは別にこれと言ったイベントもなくだが、母親による食卓に骨付きチキンが上がることはあった。
そしてそれをおいしく食べていると、母は必ず
「そんなに食べてると、明日トリになっちゃうよ!コケーッッッッッ(無駄にリアルなニワトリの真似、しかも上手い)」
と言ってきたのであった。
何時間も骨をしゃぶっているところに(そろそろやめようぜ、卑しいワヨ)みたいな感じで言ってくるならまだわかる。
こちとら普通に骨についてる肉をおいしく食べているだけなのに必ず言われる。そんな簡単にヒトがトリになるわけないだろ?ハイファイセットとっくに飛んでってってるわ!!と子供ながらに思ったものであった。突然のリアルなトリマネも本当にやめてほしかった。(想像してみてください、結構こわい)
かといって「トリにならないくらい」上澄みをかすめ取るだけみたいな食べ方だと、「まだまだお肉残ってるじゃない!もったいない!」と言われるのだ。どうして欲しいんだ、お前さんは。と幼心に思っていた。


しかし刷り込みとは恐ろしいもので、今でも骨付きの鶏肉を食べていて終盤にさしかかると、「あー、明日トリになっちゃうかな…?まさかね!」とか思ってしまうのだ。
「まさかね!」があるとはいえ、「トリになっちゃうかも?」という発想が浮かぶ時点で彼女の呪いは続いている、と思った。




2015/10/07

旅におもう


最近にわかに自分の中で温泉ブームが巻き起こり、というか偶然なんですけども、秋の連休(いわゆるシルバーウィークというやつ)の前半は山梨の温泉に、後半は温泉シティ別府に、先週は温泉じゃないけど東京ドームシティのラクーアに行った。要するに風呂が好きなんですね。これは前から。もっとざっくりいうと水が好きで、海や川に浸かると生命力がみなぎる、気がする。夏には沖縄に行って初離島シュノーケリングをして、それはそれは素晴らしかったです。

ちょっと逸れた。今回は水じゃなくて旅の話です。

そんな感じで突発的な旅行を重ねているのですが、そもそも私は割と旅行には否定的なのです。
いや、好きなんですがね。好きだからこその謎のこだわりというか、旅、全肯定!旅をしなきゃダメだよ!みたいなことを言う人が許せんのだ。インドに行ったことない人は人生損してるとか言われると(本当にいるんだぜ、こういうこと言う人)はーん???パードゥン?てなりますね。へー、私損してんの?みたいなね。インドに限らんが、こういう過激派はなぜかインド(美大調べ)。

あとタイムイズマネー、という言葉は私だってしくしく感じるが、かといってタイムイズマネーおばけみたいな意見も嫌いでしてね。旅行のように時間が限定されているシーンではおばけがことさらに主張してきてうんざりさせられる、ことがある。飛行機で行くのが早いのはわかってるが、鈍行で行くのもまた旅じゃろう。それを理解できないとはいとあはれ…(まあ、私も飛行機で行けるんなら飛行機のりますけど!それは飛行機が好きだから!)タイムイズマネーおばけに会うといつだってミヒャエルエンデのモモのあとがきを思う。読んだことない人は読んでください。


もうね、生きてるだけで旅なんだよ!って芭蕉さんも言ってただろ?「旅行」も「毎日」も一緒なんだよ。
だから旅行とか特別視すんのやめようぜ!私はもうやーめた!って思うんだけど、まあ、でも、いいですよね、旅行。好きなんですよ、本当は。

でもやっぱり日常、生活と地続き、というか、本当の本当の本当のところは何も変わらないとは思っている。日常に発見があるのと一緒である。だから旅行が好きっていうかみんな好き!わかったか!


友人の友人の話ですが、まあその人は某発展途上国に旅行に行って一ヶ月ほど生活してたおり、洗濯機などないので毎日洗濯板で手洗い洗濯をしていたそうだ。そしたら腕に筋肉がついて、なんとなく健康になったそうだ。それって日常、生活ですよね。そういう話がすっごく好き。すっごく地続き感じる。