私は作品にタイトルをつけることがもはや作品作りの醍醐味であるような考え方を持っていて、もっと極端に言ってしまうならタイトルだけ延々とつけていたいくらい。
ただし中身が伴わないタイトルは、"名"というよりはただの"言葉"でしかないので、もちろんコンテンツも大切だけどね。
最初にタイトルをつけて、全部終わったら最後にまたつけ直したりしたい。
改題して旧題をカッコの中に記してみる往生際の悪さも馬鹿馬鹿しくて愛すべき味わい。
仮題が意外とかわいくってこっそりいつまでもそれで呼んでみたりするのも幼い頃作った秘密基地のような感覚で素敵でしょう。
そんな魅力的なタイトルをつける行為に敢えて真剣に向き合わないで、わざとどうでもいいようなものをつけるアンビバレントもわかりますし、
最初はタイトルがあったのに最終的に無題にしてしまうという行為にも憧れます。それはそれはなんという退廃の美!
中でも私が特に焦がれる至高は最後に全部壊してタイトルだけを残す、というもの。
空の額縁を飾るようなロマンね…!もっと最終的には、その額縁すらも捨ててしまうか、朽ちていき忘れ去られていいんです。
「かつてそこにあった」なら、それでいいの。
でも以前、劇団主宰者とダンサーと私でいる時タイトルについての話題になったら、ダンサーはなんとまあ基本的にタイトルどうでもいい・必要ならナンバリングすればいい派らしいし、劇団主宰者はタイトルは大事だよね!と言ってくれたけど私のように興奮を覚えるほどではないみたい。う~~~ん、残念。
まあ私だって、タイトルを愛しているというよりはそのまわりの実体の無い空を愛しているのです。
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